チッソ過剰の問題 
 巷に有機野菜は多く出回っているけれど、はたしてどれが本物で、どれがニセモノなのか?判断が難しいところです。
 有機農産物のガイドラインを作ろうと各方面が一生懸命になっていますが、ガイドラインだって農薬の使用回数(回数で何が解るの?)とか栽培歴(年月だけで何が解る?)といった表面的なことを表すだけで、総合的な本当の価値を表すものにはなり得ないと思います。栽培方法だけでなく、農産物がいかに健康に育っているのか?生命力があるのかどうか?といった品質のことは重要ですが、数値化することが難しので、当然ながらガイドラインで表わす事は出来ないのです。
 この問題を解くカギのひとつが「チッソの吸収量」です。チッソは植物が吸収する栄養素のなかでも最も大量に必要としているものですが、これが必要以上になると大変な弊害がでてきてしまいます。
 後述しますが、健康な生育の第一条件として「チッソを過剰に吸収していないこと」がとても重要なことになるのです。しかし、残念なことに一般栽培の農産物だけでなく、有機農産物にもチッソを過剰に吸収してしまっているものが多く見られます。そして、過剰に吸収してしまったために代謝しきれず、野菜の中に残留したチッソは人間の体内に入ってニトロソアミン、ニトロソアミドといった発ガン物質になり、また赤血球と結びついてはメトヘモグロビンとなり貧血症を引き起こしたりしています。これらの作用は医学界でも認められています。
 安全だと信じて購入している有機農産物の中に、ハムの発色剤と同じ猛毒の亜硝酸態チッソや硝酸態チッソが含まれているということ、そして、危険性があるということのみならず、チッソ過剰の野菜は食べて美味しくない、腐りやすい、栄養価が低い、と、悪いことばかりなのですから、この問題を生産者、流通者、消費者と、関わる全ての人が認識して検証し、チッソ過剰を無くすように努力しなければならないと思います。
 また、チッソ過剰は農産物への残留だけでなく、土壌の微生物相を狂わしたり、地下水に流亡して地下水を汚染するなど、様々な問題を引き起こしてしまいます。
 自然界で存在し、循環している元素はもちろんチッソだけではありません。ですからチッソのことだけが全てではないのですが、チッソひとつ取っても「自然の許容量をはるかに越えている」という事実を認識し、改善していかなければ有機農業の未来は無いと思います。
 急速に拡大した有機農産物の生産や流通、消費は、表面的なことだけで評価してしまって、バーッと広まってしまったわけですが、今こそ根本を問い直し、自然の摂理を学び、摂理にあった生産や流通を組立てていかなければならないと思っています。「理にかなう」「合理的」という言葉は、文字通り自然の摂理に調和する、摂理に合致するという意味なのです

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