| チッソ過剰の生育と健全な生育 |
| 農作物が健康であるかどうか?ということは大変重要なことです。しかし、生産者も、流通者も、消費者も、その事を大きく問題として取り上げたことはなかったのです。急速な経済発展はそういった重要な事柄を置き去りにして突っ走ってきてしまいました。生産者はただ収量を多く獲ることばかりを問題とし、流通者はただ農産物を流し、消費者は価格ばかりに気を取られてしまっていたのです。その結果、チッソ過剰の農産物が平然と作られ、平然と流通されるようになってしまったのです。 では、チッソ過剰の生育と、健全な生育とでは、その生育ステージでどのような差があるのでしょうか? CとNのバランスについて 植物が成長するためには、光を浴びて光合成を行い、空気中の二酸化炭素CO2を吸収して炭素Cを取り入れること(炭酸同化作用)と、根から必要な水分や養分を吸収することの二つのことが必要です。非常に大ざっぱですが、以下のようなシステムで植物は自分の細胞を作り上げていると言えます。 |
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| 植物の健康の度合いを知るうえで、上記の炭水化物CとチッソNのバランスはとても重要です。これはC/N比とか、炭素チッソ率(または単に炭素率)と呼ばれるものです。このバランスが1対1、もしくは炭素CがチッソNより多い状態が好ましい生育といえます。逆に根から吸収されるチッソが葉っぱで作られる炭水化物よりも、ほんの少しでも多くなってしまうと、チッソ過剰の生育となってしまいます。 チッソがちょっとでも多いとチッソ過剰になる。その訳は 光合成で作られた炭水化物は、チッソと組み合わされて細胞の原料になると説明しましたが、それ以外にも炭水化物は植物が生育するうえで重要な働きをします。それは根に送られて養分吸収を助けるということです。 炭水化物は葉で作られると、まず根に送られていきます。そして、(根を成長させながら)根に蓄えられることで根の内部の濃度が上がります。 根の表面は膜になっているので、内部の濃度と外部(土壌の水分)の濃度の差によって浸透圧の作用が起こり、その作用によって養分を吸収しています。ですから、根にたっぷりと炭水化物を送り、内部の濃度を高くすることが、養分吸収のためには必要不可欠なのです。 |
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| ところがチッソがちょとでも過剰に吸収されてしまうと、その余ったチッソを代謝するために余分に炭水化物を消費してしまうので、根に十分な炭水化物を送ることが出来ません。そうすると、根は育つことが出来無くなり、浸透圧の作用も働かないので、ミネラルなど比較的吸収が難しい養分を吸収することが出来なくなってしまいます。そして、吸収しやすいチッソばかりをまた吸収してしまうので、ますますチッソ過剰に向かっていてしまいます。これが悪循環になりその植物の一生を決めてしまうのです。 健全な生育とチッソ過剰の生育の姿を比べると、チッソ過剰の方は地下部(根)が小さく地上部(葉)が大きい、逆に健全な生育の方は地下部が大きく地上部が小さいのが特徴です。 |